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令和4年度6月定例会 総務企画警察委員会(警察委員会)
交通事故防止策の基本的方針について

【本郷委員】
 日頃は小山県警本部長中心に、長野県民の安心安全のため各位におかれましてはご努力いただいていることに深く敬意を表するところです。萩原先生、望月先生から今、最も現代的な課題についてご質問がありましたので、わたくしからは、交通問題。将来は自家用車が飛行機になるような私たちの想像を絶するテクノロジーの進歩が進められているわけであります。また、高速道路においても以前に比べて大型車も増え、交通問題は県警にとって主要な課題になっていると認識しております。長野県における交通事故の発生件数は、昨年まで17年連続減少し、昨年の交通事故の死亡者は統計を開始した昭和23年以降で最少となるなど、県警の各種取り組みが着実に成果を上げているところだと感じています。しかしながら、令和4年は5月末の段階で、事故発生件数、事故者数ともに対前年比プラスで推移しており、気を付けて数字を分析しないといけないということで、憂慮すべき状況が刻々と迫っていると感じているところです。そんな中で特徴的なところは、一点は高齢者がかかわる事故が高水準で推移していること。メディアでも連日報道されているところです。それから小学生等児童がかかわる交通事故の防止も大きな問題として絡んでおります。それから、あおり運転などの悪質な運転の取り締まり及び、運転マナーの向上。この3点に集約されるのではないかと感じるわけで、こうした点を踏まえた上で、本年の交通事故防止対策における基本的な方針について担当からご回答いただければありがたいと思います。

【土屋交通部首席参事官兼交通企画課長】
 回答に先立ちまして、交通事故の発生状況について若干ご説明をさせていただきます。委員御指摘のとおり、本年においては交通事故発生件数、死者数ともに昨年比増となっております。特に交通死亡事故につきましては、昨日現在、交通事故者数22人で、昨年比5人、率で3割増加しています。それでは、委員御指摘の本年の交通事故防止対策の方針でありますが、本年、県警察では高齢者の交通事故防止対策、子供等の交通事故防止対策、悪質違反取締、これを3本の柱として各種対策を推進しているところであります。

【本郷委員】
 その基本方針が実践的に稼働すべくご努力していただいているところと思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。次に、高齢者や児童が巻き込まれる交通事故防止対策や運転マナー向上の取り組みについて、これも基本的なところですが、ご回答いただければと思います。

【土屋交通部首席参事官兼交通企画課長】
 順次回答させていただきます。まず、65歳以上の交通事故防止対策ですが、高齢者が道路に参画する状況に応じまして、運転者、自転車利用者、歩行者、この区分に従ってそれぞれ対策を行っているところでございます。具体的には、高齢者運転対策といたしましては、交通事故を起こした75歳以上の方の中で特に指導が必要と認められる方への個別指導。また、安全運転サポート車への体験乗車会の開催など行っています。自転車利用者におきましては、自転車利用時のヘルメットの着用の促進。歩行者対策につきましては、安全な歩行指導や夜行反射材の着用促進等の対策を推進しているとろでございます。また、高齢者を含む総合的な対策といたしましては、お認めいただいた予算により運用しております、交通安全教育車、チャレンジ号を各地域に派遣しまして、参加・体験・実践型の交通安全教育を実施しているところであります。次に、児童が巻き込まれる交通事故の防止対策につきましては、昨年、千葉県八街市で児童が犠牲となる大変痛ましい事故が発生しました。この事故を受けまして、警察では学校関係者と連携しまして、通学路の合同点検を実施しました。この結果を踏まえ、ソフト対策として、交通安全団体と連携した街頭指導を実施するとともに、可搬式オービスを活用した通学路における速度取り締まり等を実施しているところでございます。次に、マナーの向上方策についてですが、期別に実施している交通安全運動などの機会をとらえまして、信州の交通マナーの向上を呼び掛けているほか、全国に誇れる長野県の交通マナーであります、信号機のない横断歩道の車両停止率、6年連続全国第1位、これをさらに継続するため、横断歩道におけるマナーアップ運動を展開しているところであります。

【本郷委員】
 ご回答ありがとうございました。大変きめ細かく重要課題についてご認識されております。あとは、ある意味ではそれに対して財政的な措置をつけなければなりませんので、そういう観点からいろいろな意味で、ご指導をよろしくお願いしたいと申し上げておきます。交通事故防止のための基本方針が出たわけでありますが、警察だけでは、いろんな意味で物理的にも限界があり、県や市町村、道路管理者や民間企業等あらゆる関係団体との連携が極めて不可欠で、これは、他の分野でも同様のことが言えるわけでございます。関係機関との連携状況と、今後の方針についてお伺いできればありがたいと思います。

【土屋交通部首席参事官兼交通企画課長】
 委員御指摘のとおり、交通安全活動を効果的に行うためには、各自治体や関係団体、さらには企業のみなさまとの連携は必要不可欠と考えております。期別の交通安全運動では、交通安全協会と連携した街頭活動を実施しているほか、企業のみなさまにご協力をいただきました具体的な事例といたしましては、スーパーの店内放送を利用した呼びかけや、本年は日本マクドナルドと連携しました小学生への交通安全教育を実施したところであります。引き続き、関係機関、団体と連携した交通安全対策を推進してまいりたいと考えております。

【本郷委員】
 社会全体に網のかかるような意味で、社会的な現実の中において交通問題は非常に大きな課題の一つでございますので、ぜひ一層ご努力をお願いしたいと思います。それぞれ3点について明確なご答弁をいただきましたけれども、それらを踏まえて交通部長さんに総括的に今後の交通部の方向性、戦略なりについて一括してお教えいただければありがたいと思います。

【小山交通部長】
 交通事故防止対策、総括的にと委員から御質問をいただきました。県警といたしますと、悪質交通違反の取り締まりですとか、悪質ドライバーの排除、また、通学路等の安全対策のうち、いわゆるハード対策につきましては警察が行うべきものであろうと考えておりまして、そうしたことについては、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。先ほど、委員からお話のありました通り、交通安全対策、交通事故防止対策というのは、やはり警察だけで成しえることではございません。関係機関、団体等と連携をいたしまして、また、報道機関のみなさんにもいろいろとご協力をいただきながら、連携を図りながら、道路を利用する多くの県民の皆さんにも情報発信をしっかりとさせていただいて、県民の皆さんの協力もいただきながら、日本一安全安心な長野県の道路環境をつくってまいりたいと考えております。そのためにも、わたくしども担当といたしますと、知恵を出し、そして汗をかいて皆さんのためにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

令和4年度6月定例会 総務企画警察委員会(総務企画委員会)
県行政における人材確保について

【本郷委員】
 先輩お二人から大変重要な問題の御指摘がございました。日本の中には多くの分野がございますが、社会工学的に考察すれば、政治行政の拘束力は極めて強いものがあるわけでございますし、逆に申せば、その責務は大変大きなものであると私は認識をしております。そういう意味から、今、いろいろお話がありましたけれども、相当の決意をもって私どもも、また、行政のみなさんも両輪となって、祖国日本のためにそしてまた故郷のために頑張っていただきたいと思うところでございます。総務省のデータによりますと、地方公務員の数は1994年の約328万人をピークに減少し、2020年には280万人とピーク時の85%程度になっております。うち、一般行政部門では、新型コロナウイルス感染症等の対応により、近年若干の増加傾向あるものの、ピーク時から20%程度の減少という現実でございます。人口減少に伴い、自治体の人口も減少し、財源も減少していることを踏まえると、増加傾向の部門もあるようですが、当然、現在よりもさらに少ない職員数で、行政運営が求められることになります。しかしながら、今後さらに社会保障にかかわる経費は増大が想定されますし、高度経済成長期に建設された公共施設、インフラの老朽化による建て替え、改修に要する費用は増大が想定されます。さらには、近年深刻化する災害への対応などをはじめ、行政が担うべき業務が増大していくことともなるわけであります。先の国による地方の行政改革の推進の方針を受け、長野県だけではなく、全国の地方公共団体の定員削減が進められてきたところですが、今後増大する業務を少ない人員で対応することが想定され、このような状況のもと、公務員としていかに良質な人材を確保するかが課題となると考えております。前段主なことを述べましたが、人口減少の中で、20年30年先を見据えた長期的な視点からの人材確保について、中長期的な観点で結構ですが、どのようにしていくか玉井総務部長のご見解をお伺いしたいと思います。

【玉井総務部長】
 先を見越した人材確保についてということでございます。私も昨今感じるのは、これまで成長から安定、人口増から人口減、さらにはコロナや自然災害が頻発していまして、これらに起因する厳しい財政運営ということで、今まさに時代の転換点にあるのではないかと考えているところでございます。そういう意味では、いま、この時やらなければならないことを、まさに先を見越してやる、やらなければいけない、今まさに重要な時期だという認識でそう感じております。委員御指摘のとおり、人口減少の中でいかに優位な人材を確保するかということが、大きな課題でございます。長期的な視点に立って、やはり職員の採用とか、育成、今から進めていかなければ、手遅れになるという状況かとあらためて認識をしておるところです。特にこの度の新型コロナを経験して、人々の行動様式とか考え方が大きく変化をしている状況かと思います。そういう意味で、県民の価値観とか考え方が多様化、複雑化しており、これに対しては我々県職員もしっかりついていかなければいけないことを痛切に感じております。そのたびに私どももこれまで以上に県民のニーズを的確に把握し、柔軟な発想ができるようなスキルを身に着ける必要があるんだろうということで、そのためにどうすればよいかということですが、職員自ら主体的に学ぶこと、それからまた国や市町村、民間企業などに職員を派遣することで、いわゆる他人の釜の飯を食うとよくいわれますけれども、そういう意味で様々な経験とか刺激を受けること。さらに、若いうちから責任ある業務を経験して幹部人材を早くから育成するなど、今まで以上に先を見越した登用、育成も必要ではないかと思っております。また、採用ということで申し上げますと、様々な課題に積極的かつ柔軟に対応できるような社会人経験者とか人物重視の試験など多様な人材の採用も引き続き進めていきたいと考えております。加えて、来年度職員の定年の引き上げもございますので、高齢層の職員の専門性を今まで以上に高めるなど、そうした意味での育成、活用も課題かと思っております。先を見据えた職員の確保、育成、活用につきまして、今年度新たに行政機構審議会の部会を設けましたので、こうした委員のみなさんのご意見もいただきながら課題に的確に対応できるよう努めてまいりたいと思います。

今後の県組織の在り方について

【本郷委員】
 玉井総務部長におかれましては、正確な歴史的な自覚をお持ちでございますので安心をいたしました。いずれにしても人口減少の問題は極めて深刻な事態でございまして、シミュレーションによれば1億2,000万人の日本がいずれ8,000万人台くらいになると、そろそろメディアでも発表されております。そしてまた、団塊の世代でもあと何年かで、2050年問題という表現でメディアでは言っておりますが、さらにそれに続く団塊の世代ジュニアの問題と連動してきて、少子化問題と高齢化社会というものがあって、そして社会保障制度の財政的負担が相当レベルになるということでございますので、何としてもこの事態を回避して健全なる県政運営が遂行できるように、私どもも期待しておりますし、また議会も同様の強い責任があると感じておりますが、いずれにいたしましても、今のような解釈の中で長野県政が健全に運営できるよう心からご期待を申し上げる次第でございます。
 次に、もう分かっていることでございますが、広い県土に10広域ごとに設置された地域振興局をはじめ、東信、北信、中信、南信と4信ごとに配置された消費生活センターや労政事務所等、さらに13か所に設置された建設事務所など多くの現地機関があります。これらの現地機関では様々な県民ニーズをはじめ、市町村との連携を含めた大変な業務を担っていただいているところであります。職員数が将来に向かって減少することが想定される中、こういった県民サービスに直結する現地機関においても県が担うべき行政サービスが職員数の減少により担えなくなってしまうのではないかと危惧するところですが、今後の県の組織の在り方について、御所見をもう一度玉井総務部長にお伺いします。いずれにしても、この人口減少問題は国家社会にとっても最重要でありますし、長野県にとっても同様であります。この問題について県の職員はかつて1万人近くいたと私どもはお聞きしますが、現在は6,000人台ということ。そういう中において県民ニーズは極めて多様化しておりまして、特に社会保障制度を財政的にいかに担保するかという大変深刻な事態であります。もう一度、玉井部長にご見解をお伺いいたします。

【玉井総務部長】
 今後の県組織の在り方というご質問でございます。委員御指摘のとおり本県、非常に広く、個性豊かな地域に恵まれていると。これがまさに長野県の特色であり、良さではないかと認識をしているところです。一方で人口減少に伴い、大きな方向性としては、現在職員数が少ない中で行政運営を求められることも覚悟しなければいけない。それは現地機関といえども例外ではないかと考えております。一方で昨今、道路状況を改善したり、デジタル化も非常に進展していたり、先ほど申し上げた職員の専門性の確保も非常に重要な視点で、市町村のみなさんとの連携等、まさに時代の転換点にしっかり対応していかなければいけないということかと思います。また県民の行動範囲、様式も変わって、ニーズも多様化しているという中で組織の在り方も、やはり行政サービス、10広域単位でかちっと決めて今後やらなければいけないかというと、その辺は、今後の検討課題でもあるのかなということも認識しております。現在も、行政機構審議会で人口減少時代を見据えた県組織の在り方ということで部会を設けて検討する予定でおりますので、先を見越した県行政の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。

【本郷委員】
 ご回答ありがとうございました。1919年のスペイン風邪以来、100年ぶりのこの大きなパンデミックが起きたわけでございます。そういう意味では、私どもは自分自身では自覚しておりませんが、社会の変容があらゆる分野で起きてきていると。そういう中で先ほど萩原先生からお話がありましたけれども、採用についても多様性をもって柔軟にやっていくことによって、この減少した職員数に対する社会的ニーズの多様化に対して対応してくと、こういうことは方向性としては正しいと思います。しかし、いずれにしても私たちは今、歴史の十字路にいるわけで、ウクライナの問題が今度、東アジアにもし転戦した場合には、自らの国は自らで守るということでないと、21世紀から20世紀に戻っているような状況でございますので、そういう意味で、県当局はとりわけ今回のコロナ禍によって都道府県行政の自立性と重要性が再認識されて、官邸や政府与党も知事会の意見を採用せざるを得ないという状況になってきております。私も国会議員秘書としていましたのでよく知っておりますが、建物は大変すばらしいものになりましたが、衆議院、参議院、決算特別委員会をはじめ、各委員会の答弁に追われて、天下国家をどういうふうに持っていくかということは、清水部長は経験あると思いますけど、霞ヶ関にいる頃は、そんな余裕は全くないと。最後の結論は大臣が出すわけでありますけれども、それまでの過程が霞ヶ関で書かなければいけないという状況でありますので、何分、玉井総務部長、今のようなご判断の中で積極的な21世紀中盤から後半にかけての長野県政のあるべきシステムについてさらに深堀をしていただきたいと申し上げます。ご答弁ありがとうございました。

県行政として鉄道の役割について

【本郷委員】
 今日、世界を一変させた新型コロナウイルス感染症、一刻の猶予も許されない気候変動問題、輸入資源価格高騰による海外への所得流出、コロナ禍での人口減少、少子高齢化などの一層の人口減少、内外の問題が同時かつ複合的にわが国にも押し寄せてきております。コロナを契機とした社会変容が進み、また、人口減少、経済再生といった対応すべき課題が多様化、複雑化する状況下では、地方は国の指示を待つのではなく、自ら在るべき姿と未来を切り拓く構想を描き、各地域の実情に即した取り組みを、迅速かつ柔軟に実施、実現していかなければならない、そういう歴史的な新しい位置づけに、中央行政、地方政治がきてるということでございます。そういう観点から、あと一点だけお伺いしたいと思います。
 まず、身近な問題では地域住民の通学、通勤の大切な足であり、観光や経済活動の基盤としても重要な社会インフラであり、こうした国内外の状況に大きな影響を受けている鉄道についてお伺いいたします。明治5年に新橋横浜間に鉄道が開通して今年でちょうど150年を迎えます。本県でも蒸気機関車から電車、そして新幹線開業と、鉄道は発展を続け長年にわたり地域の基幹的、広域的な公共交通として重要な役割を担ってきました。しかしながら、沿線人口の減少という従来からの課題に加え、新型コロナウイルス感染症拡大により旅客収入が減少するなど、全国各地で鉄道の維持が困難な状況になっております。長野県においても、連日報道されているとおりでございます。このため、国土交通省においては、全国の地域鉄道の在り方について、有識者会議を立ち上げ検討を進めておりますが、このような中、県として鉄道の役割をどのように考え、どのように維持に繋げていく、そういう方向性を持っているのかお伺いいたします。

【石坂交通政策課長】
 鉄道の役割をどのように考え、どのように維持していくのかというご質問を頂戴いたしました。委員御指摘の通り、鉄道は、通勤、通学、通院といった地域の皆さんの日常生活を支える、非常に重要な交通手段であります。加えまして、全国につながる交通網の一部として、観光、経済といった面でも大変重要な役割を果たしているところであります。また、今後、北陸新幹線がさらなる延伸、そしてまたリニア中央新幹線の新規開業ということで、まさに全国各地と本県、時間、距離が大幅に短縮されるというメリットがございます。その整備効果を県内各地に広く影響を与えさせるためにも高規格幹線道路にあわせまして、在来線鉄道の役割の重要性、存在の意義というのも益々高まってくるものと考えております。鉄道の維持に向けまして、県として、しなの鉄道含む民鉄4社に対しましては、レールですとか、枕木といった安全運行を支える鉄道設備の維持に関しまして、ずっと補助をしているところでございますが、それに加えて、今般のコロナ禍で大変厳しい経営環境になるという中で、今まで類似の補正予算、議会にお認めいただきまして、運行継続、経営安定を図ってきたところでございます。今定例会におきましても、原油高騰で、運転動力費が高騰している中で、その支援の補正予算についてご提案も申し上げているところでございます。JRローカル線につきましては、まさに全国的、広域的なネットワークの一部ということでございまして、そこをまず国でしっかり維持するという考えを示していただきたいということで、先般も国土交通省に対し、鉄道ネットワークの維持確保について国としてしっかり財政支援をしていただく、また、仕組みづくりをしていただくという部分を知事から要望させていただいたところでございます。先ほど委員から国の検討会の話もございましたが、この国の動向をしっかり注視しながら、利用促進、沿線自治体とともにしっかりと取り組むとともに、さらなる高齢化の進展やカーボンニュートラルといった観点もございます。鉄道ネットワークの維持に向けて、県としてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

【本郷委員】
 ご答弁ありがとうございました。先ほど望月先生が申し上げた通り、過疎の問題もみんな連携してまいりますし、運転免許も全員持っているわけではございませんし、後期高齢者の免許更新には新しい試験制度が導入されたようでございます。そういうものも含めて、行政が健全な意味で優しさを発揮して、200万県民の日常生活が担保できるように、今後とも次の時代を見据えた施策をぜひご提言いただけるようによろしくお願いを申し上げます。

地方分権について

【本郷委員】
 最後に地方分権の観点から、我が国のコロナ対応を振り返ると、現場を熟知した最前線の地方が各知事のもと臨機応変かつ機動的に常に対処してきました。霞ヶ関は地方の尽力により乗り切ったといっても過言ではありません。つまり、都道府県のデータを集約して予算委員会で答弁をしているわけでありますから、皆さんのデータなくして日本の国は動かないわけです。私たちは、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を生き抜かなければなりません。そのためには、地域が自らの発想と創意工夫によって問題解決を図るための基盤整備、国から地方への権限移譲、地方分権を強力に進めていく必要があります。地方分権一括法がもう10年ほど前に法律ができましたが、現実には作動しておりません。そういう意味でも、地方分権を強力に進めていく必要があるという、ある意味では政治的な判断でございますが、この国では、明治政府以来、中央集権体制が続いています。かたや、アメリカやドイツでは州知事の権限が極めて大きく、例えばニューヨーク知事やその他の州の知事の発言は外交安全保障については大統領が持っておりますが、その他はほとんど知事が持っております。つまり、州知事の権限が大きく、地方制度を定めるのは連邦政府ではなくて各州であります。様々な課題への迅速、柔軟な対応にはわが国においても知事の権限の強化が極めて必要かと思われます。したがって、地方分権の一丁目一番地はその辺から、切り口を割いていかなければならないと思っております。そこで、国はもとより他の自治体の勤務経験を豊富に有し、国と地方の関係性を熟知される企画振興部長に地方分権について俯瞰的な視点での御所見、この国を変革するラストチャンスとの強い決意を感じますので、ぜひ御所見をお伺いしたいと思います。

【清水企画振興部長】
 地方分権について俯瞰的な視点からということでご質問いただきました。平成7年に地方分権推進法が成立いたしまして、国と地方の関係が上下主従から対等協力という形に変わりまして、機関委任事務が廃止、権限移譲といったものが進められてきております。最近では、地方が国に対して制度改正を提案できるという、提案募集方式という方式も行われており、国の方でも分権を進めるという姿勢は見せているというところではございます。本県ではこうした国の動きを活用しながら、県民の利便性向上に取り組むということで、例えば今申し上げた提案募集方式ということで申しますと、わが県はかなり積極的に国に提案している県の一つでございまして、これまで47件提案し、そのうち22件が実現したということで、それだけ国の制度を本県の提案で変えさせてきており、一定の成果を挙げてきていると思っております。知事自身も自ら率先し、全国知事会等の場で、現場だからこその問題提起を提言されておりまして、実際に先般閣議決定された骨太の方針2022の中で地方への計画策定の義務付け、要は国が法律で自治体にこういった対策のために計画を作りなさいと、いろいろ努力義務だったりしておるわけですけれども、それが地方にとって相当の事務の負担になっているということもありまして、計画の内容や手続きを相当程度自治体の裁量に委ねるという方向性が閣議決定されたということに、知事の提言がつながってきているということで、県全体としても積極的に分権に対して取り組んできているところでございます。しかしながら、知事も常々、分権は道半ばであるということを主張されておりますし、私自身も本質的な部分での対等協力関係というところまで至っているのかということは、確かにまだ疑問がないわけではないと思っております。私自身、これまで大阪府と宮城県で勤務したことがありますが、当然、県によって全然実情は違いますし、特に長野県の場合は77の市町村がありまして、地理的な特性ですとか産業構造、人口構成というものも全然違うという中で、霞ヶ関で全国画一的な制度を作って、自治体にやってもらうというこのやり方もかなり難しくなってきているのではないかと、長野県にきて思いを強くしているところでございます。先ほど、委員からも十字路に立っているというご発言がありましたけれども、まさに今、大きな岐路にこの国は立たされていると思っております。その中でこれまでの価値観や仕組みが本当にこれからの時代に適合しているのかどうかという点であらゆる制度、仕組みを総ざらいで見ていくという点では、やはり国と地方の関係というものもこれまでのキャッチアップ型の時代には有効であったこの中央集権というやり方から、この複雑多様化する社会、県民のニーズに応えていくにはやはり、地域の実情に応じた施策を地方が自ら実践していけるような体制にしていくということが重要ではないかと感じております。この長野県で積極的に分権提案、知事も相当具体的な提言をされておりますので、しっかり県としても国に提言を行いながら国と地方の関係を、少しでも県にとっていいような形になるよう微力ではございますが努力していきたいと考えております。

【本郷委員】
玉井部長、清水部長から長野県の、そしてまた日本の未来に展望が持てるご答弁をいただきましてありがとうございました。ぜひ、そういった理念のもとに一層ご尽力いただくことを祈念して私からの質問を終わります。ありがとうございました。


令和4年2月定例会 産業観光企業委員会(産業労働部関係)
世界情勢を踏まえた今後の県内産業の成長について

【本郷委員】
 今日の歴史の十字路とも言われる危機的な状況の中で、積極財政論を明確に打ち出し、また、県民の意見を丁寧に受け止めて、15カ月予算ということである。ぜひ、一日も早く従来の社会が戻るように、議会側も努力するが、よろしくお願いしたい。
 先月24日、ロシアは、我が国をはじめ世界各国の度重なる忠告に耳を貸さず、ウクライナに進攻するという国際秩序を揺るがす暴挙に出て、連日、メディアで放送されている。市民生活、それから原子力のところにも、いろいろな問題が出ていて、本当のことは分からないが、国連においても141カ国がこれに対して、強い反対表明をした。ロシアは、かつてのソビエト連邦のときのある種の帝国主義的な考え方がまだ残っている感じを受ける。プーチン大統領の一党独裁であるが、二十一世紀型の政治体制は、あのようなものではない。国際秩序を根底としながら、アメリカ・ファーストではないが、ジャパニーズ・ファーストも含めて、各国固有の文化や歴史があるので、そこを丁寧に、領土だけを広げる視点ではなくて、もっと新しい発想力を持っていただきたいし、一日も早い平和を祈念している。
 我が国への経済的影響としては、各国の共同歩調によるロシアへの経済制裁により、為替と株価の変動、原油と天然ガスの価格上昇がそろそろ顕在化してきている。アルミニウムと歯で使うパラジウム、小麦といった国際商品相場に上昇圧力がかかることが見込まれていて、これが具体的になってきている。
 ロシアの一部金融機関を、SWIFT、国際銀行間通信協会から排除する制裁によって、我が国のGDPを最大0.3%、約1.5兆円押し下げる可能性があるとの試算が出ている。新型コロナによる世界的な混乱から、社会経済活動の正常化を目指して取り組んでいる最中の予期せぬ事態に、世界の衝撃は大変大きなものになっている。このウクライナ情勢という懸念材料が新たに加わったが、新型コロナウイルスにフォーカスすると、3月6日まで、本県全域に適用されていた「まん延防止等重点措置」が解除された。ワクチンの3回目接種が進展し、塩野義製薬が厚生労働省に飲み薬の製造販売承認を申請するなど、ウイルスに対抗する手立てが講じられていて、しばらくの間、抑制を余儀なくされていた社会経済活動は、再始動のフェーズを迎える状況になっているが、まだまだ全く油断はできない。新型コロナウイルスの世界的流行は、企業を取り巻く環境が急激に不安定化したこともあって、迅速な環境変化への対応やシステムに加えて、企業文化にも変革していくことが求められている状況になっている。
 そういうことから、デジタル化の加速や脱炭素化を含めた持続可能な企業の育成を、県としても支援していく必要があると思うが、しなやかな産業構造を構築し、予期せぬ状況変化にも対応できるように振興していくことが極めて重要ではないかと思う。アフターコロナやその先を見据え、本県産業の成長分野をどのように戦略的に育成していくのか。とにかく日本は、失われた30年ということで、いずれ、インドにGDPが抜かれる。そうすると、今、金メダルはアメリカ、銀が中国、銅が日本であるが、これが入れ替わるわけである。そして、GDPを国民一人当たりに直すと、さらに低くなる。この失われた30年に根本的に対応しなければいけない。そこに、ウクライナ問題が発生して、良い悪いは別としても、全てグローバリズムという円環している経済体制があるので、そのような意味から、これからの新しい時代の日本、あるいは長野県のあるべき姿について、林部長に見解を伺う。

【林産業政策監兼産業労働部長】
 現在、このコロナ禍に限らず、現下のロシアの問題が、原油高や原材料価格の高騰、さらにはサプライチェーンに、非常に大きな影響を及ぼすものと危惧している。足元では、せっかく持ち直しの動きも見られた中であるので、そうした世界情勢も注視しながらやっていきたい。
 今、日本は、国内経済、あるいは、地方経済の人口減少の中にいるため、成長と配分の好循環をつくりたいという思いは、国も地方も一緒だと思っている。成長の可能性がある国々と連携しながら、一緒に成長し、そして、再配分の好循環をつくっていく視点が非常に重要である。その意味では、長野県産業は、製造業を中心に海外との結びつきも大変高いので、一緒に取り組んでいく姿勢が非常に重要である。
 コロナ禍で3年目を迎えて、県内企業は、非常に大変な場面に直面しているが、そうした視点も持ちながら、しなやかな産業構造をつくっていく視点を持って進んでいきたい。特に、デジタルやグリーンは、様々な分野に及んでくる。そのためには、県内産業のそれぞれの事業所が、そうした視点を持ちながら、取り組んでいくことが必要である。この度の来年度政策の中にも、当面の資金繰り、あるいは下支えといった視点が大変重要であるので、そこはしっかりと支えていくとして、ポストコロナにおけるビジネスモデルの再構築、あるいは財務基盤の改善もしっかり踏まえながら、経営支援にしっかり着目した支援体制を組みたい。この度のテクノ財団の統合により支援体制も強化するが、長野県産業振興機構並びに金融機関の皆様方と一緒に連携して、県内の産業を支えていきたい。

【本郷委員】
 とにかく、今の危機的状況を切り抜けなければいけない。高橋是清元内閣総理大臣は、大蔵大臣を5回やったが、当時の大不況の中で、全力で財政出動をして、先進国で一番早く不況から脱出した。そういう観点から、国際金融論になるが、いろいろな問題もあるので、まずは、この危機を乗り切って、その次に北欧型のデンマークなり、スウェーデンなり、ノルウェーのような形に持っていくのか。ビジネスモデルの変化ということを部長から答弁があったが、国民的な総意の中で、給料は、例えば45歳をベースとした場合、45歳の方の給料と社長の給料は、12倍の格差である。片や、アメリカを同じようにスライドさせると、25歳とアメリカのオーナーでは、約50倍の差である。単純比較はできないが、いずれにしても、この30年間、株式会社であるため、株主に大きな配慮をすることは当然であるが、勤労者に全然回ってこなくて、そのストックをどうするかが、今、経済学的には、マクロ経済で大きな議論になっている。とにかく、1990年から今日まで、0.4%は実際ないのと同じである。日本の高度成長は、世界の歴史の中でも一度しかないわけで、二度は来ない。そうすると、今度は、ビジネスモデルなり、国全体のスタイルを変えていかなければいけない。そういう意味で、政治や行政、経済界を含めて、非常に問題が多いため健闘を願う。

若者の県内定着、確保・育成について

【本郷委員】
 人口動態の問題が非常に深刻であり、朝鮮動乱やベトナム戦争も日本の高度成長の一役を買って、日本人の勤勉さも含めて、人口が1億二千数百万人まで伸びた。本県の生産年齢人口は、2020年の国勢調査によると、約115万人となっていて、前回の2015年の調査から、5年間で約5万人減少している。これが今後、2030年には104万人、さらに2060年には84万人と、一定の政策を行った場合でも、2020年比でおよそ7割まで減少していく統計が出ている。このような中で、地域社会を維持し、県内経済を持続的に発展させていくためには、若い年齢層の人材の県内定着を図り、地域や産業の担い手として、活躍してもらうことが基本的な要素として挙げられるが、今後、若年層の人材の確保・育成にどのように取り組んでいくのか。
 つまり、終戦の昭和20年8月15日には、日本の人口動態は7千万人だったのが、1億二千数百万人まで伸びてきたことも、高度成長を実現した要素でもあるし、また、対外的な要素もある。しかし、もう少し細かく解析すれば、若年労働者、勤労者の数が急速に減っていく。それから、婦人の方も高齢者の方もいて、社会保障制度を変えることは、なかなか政治的に難しい。そして、国際情勢は、全く新しい局面に入った。これから、情報技術が非常に高度に発達していくので、人口比だけでは言えないが、若い年齢層の人材の確保・育成については、行政や議会も第一要素として、相当取り組まなければいけないと感じているが、西沢次長に見解を伺う。

【西沢産業労働部次長】
 本県の未来を担って、成長を支えていく若い世代の確保・育成は、極めて重要な課題と認識している。若い方々に、県内に定着してもらうために、いくつかの視点がある。
 まずは、県内の新規学卒者に、できるだけ県内に就職してもらう「郷学郷就」である。このためには、現在、実施しているキャリア教育が非常に重要になる。小中学校の早い段階から、多様な県内産業の魅力や、きらりと光る優良企業が県内には多いことを、多くの子供たちや若者に知ってもらう取組を引き続き実施していきたい。
 それから、現在、県外の大学で学んでいる学生や、県外で働いている若者を長野県に呼び戻す視点も必要である。従来、様々な取組を行っているが、来年度、新たに奨学金返還支援制度を導入する企業に対するサポート制度を立ち上げる。学生の二人に一人が奨学金を利用している状況があるので、就職活動にあたって、このまま都会で就職しようか、それとも、長野に帰ろうかと考えている若者の背中を押す制度にしていきたい。
 もう一つの視点として、現在、長野県内で、非正規雇用で働いている方、あるいは、職を求めている若者を、しっかりと良質な正規雇用につなげていく取組も必要である。現在、Jobサポ等でマッチング支援を行っているが、これも来年度新たに35歳以下の若者を対象にプログラミングスキル等の基礎を習得してもらうオンライン訓練を計画している。これにより、IT分野での正社員就職につなげていきたい。
 それから、これらの取組のほか、新たな取組として、県内で学ぶ留学生に県内で就職してもらう取組もやっていきたい。県内の大学で学んだ留学生は、語学力もあり、その分野の専門知識もあり、その上、長野県の風土や文化も知っているので、県内企業にとっては、非常に貴重な戦力となる人材と思っている。こうした長野県で学んだ留学生が、都会で就職してしまうのではなくて、引き続き長野県で就職してもらえるよう、県内大学や企業等と連携した取組も始めていきたい。
 こうした様々な取組を総動員して、長野県の将来を担う若者の県内定着を図っていきたい。

【本郷委員】
 複合的な視点から、いろいろなアイディアがあった。今、東京は1,400万人程いるが、人間復権という観点から見ると、極めて無機質である。中央線は、今、八王子や高尾からでも始発で座れないところがあるようで、それが山手線や他のところも同じ状況で、会社に着いたときにはぐったりとなる。そういうことも失われた30年と全て関連はしている。
 今回のコロナによって、都道府県議会や都道府県行政の発言力が非常に高くなっているので、ぜひ、今、話したことを、永田町、霞が関に対して、より積極的なアプローチをして、国政レベルでも政策的、戦略的に実現できるように一層の努力を願う。また、議会も一緒に両輪となって頑張っていきたい。

コロナ渦を経て変化した消費動向への対応について

【本郷委員】
 新型コロナの感染拡大が始まり、早くも2年が経過した。1919年のスペイン風邪は3年かかったが、感染拡大防止のための行動制限が長期化し、外出の自粛要請やテレワークの奨励により、専ら自宅で過ごす、いわゆる巣ごもりと言われる形態が増加したことなどを背景に、消費者の行動や意識が変化していくことは間違いない。今日では、非接触・非対面、キャッシュレス決済やオンラインショッピングといったワードによって、人々の消費動向があらわにされているが、このような変化が見られる中、今後、どのような消費動向に対応し、営業活動を展開していくのか。その展望を金井営業局長に伺う。

【金井営業局長】
 コロナ渦を経て、消費動向がいろいろと変化し、デジタル化などは加速化した面も見てとれる。特に注目しているのは、ネットショッピング、ウェブサイトやECサイトによるショッピングのようなインターネットを介して行われる売買の拡大である。今後、インターネットによる売買、ECサイトによるショッピングは、多分、アフターコロナの段階に入っても拡大していくと言われているので、事業者の皆様には、インターネットを通じた販路の拡大に、しっかり取り組んでもらわないといけないと考えている。このインターネットによる販売機会の拡大により、県内、国内のお客様だけではなくて、海外のお客様にもつながる可能性も秘めているので、力を入れて取り組みたい。
 昨年度の6月補正でECサイト送料無料キャンペーンをやっていて、それに併せて、アンケート調査を実施した。360余の事業者の皆様から答えてもらったが、その中で、大体6割の事業者は、ECサイトによる販売額が、まだ1割未満ということを聞いている。また、4割の事業者は、ここ2年の間にECサイトを始めていて、まだ、長野県内の事業者のEC販売の拡大は、伸び代がすごく大きいので、来年度以降、しっかりとECサイトへの取組の支援を行っていきたい。
 それに関連して、民間のシンクタンクの情報によると、インターネットを介した情報収集が、テレビやラジオ、新聞によるマスメディア媒体の情報収集よりも、大分、多くなってきていると言われている。オールNGANOモールや、今月末に立ち上げるグローバル・ブランディングサイトという長野県の魅力を発信するサイト、それと、今、持っているSNS、ツイッター、フェイスブック等のSNSを活用して、さらに内容を充実した上で、発信していきたい。

【本郷委員】
 県庁職員の皆様の新しい概念が、日本をリードし、また、それだけの実績もあるので、この歴史の潮流である今日の状況を打破して、その指導力を一層発揮していただきたい。

令和4年2月定例会 産業観光企業委員会(観光部関係)
感染拡大防止に配慮した観光キャンペーンの展開について

【本郷委員】
 積極的な事業展開やキャンペーンを工夫していて、観光部は注目度が高い。観光立県長野が、今、100年ぶりのパンデミックに押されているが、この危機を乗り越えて、ポストコロナに向けて、一層の努力を願いたい。松本市を含め、長野県は、ある意味でヨーロッパにおけるスイスのようなイメージがある。一か月の「まん延防止等重点措置」が3月6日に解除されて良かったが、年末年始までは、比較的好調だったと聞いている。今、私は長野県議会の観光議員連盟の会長をやっているので、いろいろな業界から要望を頂戴しているが、適切な財政措置をしてもらって感謝する。皆様も大変感謝している。何としてもこの危機を乗り越えなければいけないが、年明け以降の感染拡大と「まん延防止等重点措置」の影響で、2年連続で打撃を受けたという観点から、経営の継続、雇用の維持が非常に懸念される財務内容である。しかし、同時に、善光寺の御開帳、諏訪大社の御柱が始まり、大きな事業をきっかけに反転攻勢を仕掛けてほしい。県においては、経済活動と感染対策の両立を図って、最大限の努力をされている。
 令和3年12月の第2次速報値では、全国のホテル等の客室稼働率は47.1%で、前年同月比で10.3%の増加である。長野県は28.3%で、全国最下位である。それから、令和3年の年間のシミュレーションをすると、長野県の延べ宿泊者数は、1,056万人になっている。昨年比では6%の減少で、コロナ感染拡大前の2019年比では41.5%の減少である。また、客室稼働率は24.6%で、全国で一番低い。こういうマクロ的な数字は、観光部は全部つかんでいるが、いずれにしても、これを前提に、何としても工夫しなければならないので、皆様方の苦労を察するとともに、また、議会としても、最大限の努力をしたい。
 厳しい経営環境ではあるが、善光寺の御開帳、諏訪大社の御柱など、大型催事に対する県民の期待は非常に大きい。ただし、1200年の歴史と伝統のある御柱は、先般の報道によると、御柱を里まで曳行する氏子による「山出し」を断念することが決定されたようで、1200年の中で初めてである。今回のオミクロン株が1919年のスペイン風邪以来、100年ぶりであるので、そういう意味では、客観情勢は異常事態である。
 したがって、観光キャンペーンは制約を受けながらも、春の大型催事を皮切りに、1年を通じて、県内各地に効果がもたらされるように展開してほしいが、感染拡大の防止に配慮しながら、どのように戦略的に進めていくのか所見を伺う。

【丸山観光誘客課長】
 「春の信州彩り観光キャンペーン」はスタートしたが、今後、夏、秋、冬と年間を通じて、県内各地の多彩な魅力に加え、コロナ禍においても、密になりにくいアウトドアやキャンプ、また、長野県の特徴である、紅葉、温泉、スノーアクティビティ等といったコンテンツを織り交ぜながら、季節ごとのキャンペーンを展開していく。その際には、デジタルの活用はもちろん、「春の信州彩り観光キャンペーン」の実施計画にあるように、県内事業者の皆様の感染対策の取組や、旅行者の皆様への「信州版 新たな旅のすゝめ」のお願いなど、感染防止に関することもプロモーションの中に織り込み、周知を図っていきたい。また、場所と時間、時期の分散を図りながら、旅行者のリピート周遊を促すよう、取組を進めていく。

【本郷委員】
 二百数万人の長野県民全体のモチベーションが上がるように努力を願う。また、議会も微力ではあるが、応援体制をしっかりしていきたい。

水際対策の緩和を踏まえたインバウンド誘致について

【本郷委員】
 欧州では、コロナ対策の規制を緩和し、コロナとの共存に踏み出している印象を持っている。北京オリンピックが終わり、パラリンピックが開催されているが、今後、ウインタースポーツ人口の増加も見込まれて、長野県にとっては、大変大きなマーケットになり得るが、今回のことで、非常に苦しい状況にある。
 我が国においては、3月に水際対策が段階的に緩和される方針で、報道・メディア関係でも発表されているが、観光事業にとって、インバウンドの早期再開への期待は、大変大きい。したがって、インバウンド需要を確実に取り込める準備をしていくことが極めて重要である。今後、どの国をターゲットに、また、どのようなテーマで、インバウンド誘致に取り組んでいくのか所見を伺う。

【松本国際観光推進室長】
 先日、国が発表した3月1日以降の水際対策は、入国時の待機期間を原則7日としつつ、受入責任者の監督の下、観光目的以外の入国を認めることにしている。ただし、オミクロン株の感染拡大の状況はまだまだ予断を許さないこと、さらには、ウクライナ情勢が及ぼす様々な影響も、今後、懸念されることを考えると、インバウンド再開はまだまだ不透明な状況が続いていると認識している。
 依然として、海外マーケットの旅行先として、日本を検討している割合が高いことを考えると、旅行目的での来日が解禁となった際、東京・大阪、いわゆるゴールデンルートから、長野へいかに人を呼び込むかが重要である。そこで、これまでの来県実績、それから、滞在日数、観光消費額、季節ごとの来県状況といった諸々のデータを分析しながら、台湾、香港、中国、タイ、シンガポール、アメリカ、イギリス、オーストラリアの八つの国を最重点市場と位置付けている。さらに、誘客テーマを、外国人の方に訴求力のある中山道とジャパニーズ・アルプスの二つに絞って、長野という地域の売りを明確にし、ここでの過ごし方を具体的に提案し、効果的なプロモーションを展開していきたい。

【本郷委員】
 長野県の持つポテンシャル、特に観光については、決してスイスのアルプスに負けないものがある。そのためのハード・ソフト両面における整備環境をしなければならない。そういう視点から、複合的、多角的に分析した上で、観光客が入ってくる状況にしないといけない。
 特に、BA.2は非常に感染力が強くて、先般も、知事のプレスリリースの中で、長野県にBA.2がいることがはっきりしたようである。そういう意味では、そちらに対する対応と観光戦略をどのように並行的にやっていくかという大きな行政的苦悩があるが、ぜひ今から、実績を上げて、観光立県長野の良さをアピールできるように一層の努力を願う。

信州観光復興に向けた長野県の観光戦略の見通しについて

【本郷委員】
 新年度は、引き続き切れ目のない需要喚起策によって、観光事業者を下支えするとともに、観光キャンペーンを通じた、一層の誘客促進やインバウンド再開時の取組、さらには、中長期的な視点から、観光地域づくりなど、多面的に取り組むことが極めて重要である。依然として、コロナ収束が見通せない中、アクセルとブレーキを踏み分けながら、信州観光の復興・復権に向けて、また来るべき世界との競争を視野に、いかに観光競争を進めていくか、観光部長に長野県の観光戦略の見通しについて伺う。

【渡辺観光部長】
 短期的な部分では、これまで以上に、しっかりとウィズコロナを意識しなければいけない。これまでもそうだったが、アクセルとブレーキで、ブレーキを踏みすぎないようにする、車を止めることがあってはならないと思っている。BA.2の話もあったが、これまで以上にウィズコロナ、ある意味で共存していかなければならないという認識の下、全てのものを進めていく、安全運転で動かせる形をとっていきたい。そのための具体策としては、ワクチン接種である。庁内一丸となって進めているが、事業者にも、このワクチン接種については、協力等をしてもらうことで、安全な観光地域づくりやこれからの観光振興ができる。それと併せて、新しいワクチン・検査パッケージについても、今、国でも見直しがあるが、そうした体制を整えていく。それから、短期的な需要喚起等では、今、「信州割SPECIAL」等の宿泊割をやっているが、これが単に割引事業ということではなくて、しっかりと次に繋がるものをつくってもらって、生かせる形にしたいと、取組や商品化の促進もしている。
 中長期的な部分とすれば、これまでも、稼働率の関係も踏まえて方針をつくり、アフターコロナの方針の中では、長期滞在やリピーターの獲得ということで、中長期的なものを想定している。こうした中で、インバウンド戦略、観光地域づくり、それから、データベース化や誘客プロモーションと、今回、1月補正と当初予算を組み合わせて、全てアフターコロナにも生かせる形での観光戦略を、現在、準備して進めている。先が見通せるときには、長野県を選んでもらえるように、観光産業の全体の底上げを図っていきたい。
 見通しについては、なかなか先が見えないが、今回のプロモーションも、しっかりと県がリードして、事業者の皆様と一緒に一丸となって、観光振興を進めていきたい。

【本郷委員】
 今、政府は4度目のワクチン接種も少し検討に入っているようである。いずれにしても、日本の医療体制は、先進国の中でも非常に平準化して、国立大学の病院や、あるいは、私立の総合病院、そしてまた、開業医の先生、看護師の先生方を含めて、非常にモチベーションが上がってきていると思うが、医療と観光がこれほど密接な関係になることは、想像していなかった。結果的には、戦後67年の歴史の中で、いい方向に出ている。しかし、海外からの水際問題については、相当慎重にやらなければいけないということで、いくつかの条件はあるが、ぜひ日本を代表する観光立県長野のリーダーとして、ここが踏ん張りどころであるので、よろしく願う。

令和3年9月定例会 産業観光企業委員会(企業局関係)
売電等のあり方の検討経過と今後の展開について

【本郷委員】
 小林公営企業管理者においては、健全で、かつ、時代の流れをつかんで、企業局としての新しい方向性を定着させ、強いリーダーシップの下に、非常に活力のあるセクターとしてやっていて、敬意を表する。
 売電等のあり方に関する検討については、緊迫するウクライナ情勢を受けて、液化天然ガス、LNGや、原油の価格が急騰するなど、エネルギー需要への影響も非常に懸念される。予断を許さない状況下ではあるが、水力発電は、再生可能エネルギーの中でも、ベースロード電源の一つとして、低コストで安定供給が可能な電力とされている。2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする脱炭素社会の構築を図るためにも、企業局の電力は、重要な役割が期待されている。
 企業局電力の売電等のあり方について、有識者による検討会を設置しているが、これまでの検討経過と今後の展開について、竹花経営推進課長に伺う。

【竹花経営推進課長】
 企業局の電力は、中部電力との卸供給に係る基本契約の満了や電力システム改革の進展を受けて、これからの売電等のあり方について、以前より局内、庁内で議論してきた。脱炭素社会づくり条例の制定やゼロカーボン戦略の策定など、県として取り組むべき方向性が明らかになりつつある情勢を受けて、企業局としてのビジョンや新たな事業構想を整理し、現在、有識者会議で意見を聞いている。また、有識者会議のほかにも、環境エネルギー部門の専門家を講師に招き、脱炭素社会へ向けた世界の潮流や10年、20年後の再生可能エネルギーの姿などをテーマとした庁内研修会を開催したほか、電力の取引に関して基本的な知識を習得すべく、現在、電力の需要と供給のシステムなどについての職員勉強会を継続して行っている。
 従来の卸売に加えて、電力の小売分野に関わっていくことは、どのような形態であれ、企業局にとって、新たな挑戦になるが、有識者からは、2050ゼロカーボンに向けて、バックキャスティングで進めていくためにも、企業局の果たすべき役割は大きいと言われている。今後、新しい事業構想や手法の構築に当たっては、想定されるリスクの検証や財務シミュレーションの実施などにしっかり取り組むとともに、本委員会をはじめ、公営企業経営審議会の場でも、意見を聞きながら、地域内経済循環に資する売電等のあり方を見出していきたい。

令和4年度の企業局組織改正を踏まえた電気事業の展開について

【本郷委員】
 令和4年度の企業局組織改正では、新規発電所の建設に向けた調査・工事等の加速化や発電施設等の維持管理の効率化を図るため、新たに飯田市、松本市及び上田市の3か所に、「発電建設事務所」を設置することとしている。
 また、昨年5月には、中央制御所を設置し、発電所の監視制御機能を一元化したが、今後、AI・IoT等の先端技術を活用したスマート保安を推進していくこととしている。
 これらの取組などを踏まえた、今後の電気事業全体の展開について、小林電気事業課長に伺う。

【小林電気事業課長】
 2050ゼロカーボンの達成に向けて、企業局では、再生可能エネルギーの供給拡大に積極的に取り組むこととし、長野県公営企業経営戦略においても、令和7年度には、着工ベースで、発電所を36か所にすることとしている。このほかにも、開発の可能性について、調査を並行して進めていて、来年度、飯田市、松本市及び上田市に「発電建設事務所」を設置するので、これまでに企業局の発電所がない地域を含めて、長野県全域において、地元の意向を踏まえつつ、その地点の発電量等を考慮しながら、新規電源開発をさらに進めていく。
 また、発電所の運転や保守管理については、今年度5月に設置した中央制御所において、集中して効率的に行うこととしていて、次世代運転監視ネットワークにおいて、監視カメラや水位計を設置して、発電所等の監視を強化し、保守の省略化や高度化を推進するとともに、降雨・流入予測システムを導入して、より効率的な発電機の運転・管理を目指していく。
 さらに、このシステムで整備するクラウドサーバを活用して、県の他部局からデータ等を共有して、洪水の予測を精緻化し、将来的には、市町村からのデータも収集し、県全域の災害対応力の強化を目指すDX推進事業とも連携していく。
 また、市町村や改良区等が行う新たな電源開発の可能性の調査や発電施設の設計・建設等について、受託するなど、事業の推進に協力していくとともに、こうした皆様と、発電事業者になり得る発電所の建設や維持管理に関係する事業者の皆様とともに、水力発電推進研究会を設置して、新規電源開発や発電事業の運営等に関する課題を共有し、研究項目ごとに分科会等で情報交換や勉強会を通じて、課題の解決に取り組み、研究会で成果を取りまとめていく。
 企業局としては、これらに積極的に取り組み、長野県内で持続可能な水力発電事業が広く展開されることを目指していく。

企業局の部局横断や地域連携の取組の現状と今後の展望について

【本郷委員】
 改正後の長野県公営企業経営戦略においては、経営の基本方針として、電気事業では、「再生可能エネルギーの供給拡大とエネルギー自立分散型で災害に強い地域づくりの具現化」、水道事業では、「持続可能な経営体制の確立に向けた、未来への計画的な投資、人材の確保・育成と広域連携の強化」を掲げている。いずれも、部局を横断するとともに、市町村をはじめとする地域との連携が重要な取組と考えられる。
 企業局の部局横断や地域連携による取組について、現状と今後の展望を西澤企業局次長に伺う。

【西澤企業局次長】
 委員から指摘のあった取組は、まさに部局横断や地域連携なしでは、前に進んでいかないと認識している。
 電気事業については、関係部局横断で構成するプロジェクトを活用して、地域電源開発の候補地を選定するとともに、市町村長をはじめ、地域を知る皆様から新しい候補地点を紹介してもらって、開発に結びつけている。また、発電所の名称を子供たちから公募したり、地域の皆様と発電所の管理や環境維持に係る協働関係を構築している。また、発電所を観光資源、学習の場として活用するなど、地域連携型水力発電所として整備を進めているほか、土地改良区から小水力発電建設等を受託する取組も始めている。
 来年度からは、市町村、土地改良区や事業者の皆様と研究会を設置することにより、県内のより多くの地域において、再生可能エネルギーの供給拡大を目指すとともに、大規模災害時に、防災拠点等に電力を提供するマイクログリッドの構築に向けて、市町村や送配電事業者等と連携して取り組んでいく。
 水道事業では、持続可能な経営体制の構築に向けて、これまでも環境部や企画振興部等と連携しながら、市町村の皆様と相談し、あるいは、水道情報を共有し、専門人材の確保・育成について検討するとともに、末端給水区域・用水供給区域における広域化・広域連携の取組について、関係市町村と検討を進めている。また、定期的に実施している防災訓練については、関係市町村に加えて、日々の水道工事等を担っている地元事業者の皆様とともに取り組んでいる。引き続き市町村や地域の皆様と顔の見える関係づくりを築きながら取り組んでいく。

【本郷委員】
 電気と水道という文明社会において、最も基本的なインフラとして、公営企業管理者の下、極めてアクティブな行政を進めていることに深く敬意を表する。今後とも、ますます重要な位置づけになるので、一層の精励を願う。

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